会長挨拶

日本社会心理学会は、1960年に発足し、社会心理学および関連領域の研究者の方々の活動を支える組織として、運営されてきました。この間、社会心理学という領域自体が、脳活動などの生理的過程から、個人の認知や感情、対人関係、集団過 程、文化に至るまでの、幅広い現象をあつかう学問として発展し、神経科学、認 知科学、法学、経済学、工学、哲学など多様な領域とも交流を深め、学際的な議 論を生み出すことにも貢献してきました。

様々な社会課題に直面する現在、人と社会との関係を、心の仕組みの観点から解 明する営みの重要性は、一層大きなものがあります。社会心理学は、心理学の一 分野として、科学的な研究方法を採用し、この課題に向き合うという点において 科学知を生み出すことが使命です。しかし、それにとどまらず、その知見を実践 的な課題解決に活用するための実践知として、さらには、社会的な存在としての 人間のあり方についての洞察を深める人文知としても、役割を担っています。

日本社会心理学会は、会員の皆様に寄り添いつつ、その活動を支えるために活動 しています。また、多様な関連領域の研究者の方々、社会課題の解決に実践的に 取り組んでおられる方々とも対話しながら、自らのミッションを確認し、学際分 野の課題への挑戦も進める所存です。引き続き積極的なご支援をお願い申し上げ ます。

2019年9月

日本社会心理学会会長
唐沢かおり