早期公開 和文要約

表題
マインドワンダリングおよびアウェアネスと創造性の関連
著者
山岡 明奈(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
湯川 進太郎(筑波大学人間系)
要約
マインドワンダリングとアウェアネスは対立概念でありながら、どちらも創造性と正の相関が報告されている。この矛盾を明らかにするため、本研究では、先行研究で用いられていた創造性課題を拡散的洞察と収束的洞察という視点から整理し、実際に拡散的洞察を要するUnusual Uses Testを用いて創造性の3側面(流暢性・柔軟性・独自性)とマインドワンダリングおよびアウェアネスとの関連を検討した。532名(平均年齢19.67、SD = 1.44歳)の回答を分析対象とし、重回帰分析を行った結果、他者と重複しなかった回答に得点が与えられる非重複的独自性とマインドワンダリング傾向との間に逆U字型の関連が示され、分散分析からマインドワンダリング中群は低群よりも他者と重複しない稀な回答が多いことが示された。一方、回答が“どの程度創造的か”という観点から評定した時の評価的独自性は、マインドワンダリング傾向との間にU字型の関連を示し、マインドワンダリング中群の回答は低群よりも、回答の質的な評価が低いことが示された。
キーワード
マインドワンダリング、アウェアネス、創造性、用途テスト、独自性
表題
心的状態の推測方略:投影とステレオタイプ化
著者
石井 辰典(東京成徳大学応用心理学部)
竹澤 正哲(北海道大学大学院文学研究科/北海道大学社会科学実験研究センター)
要約
人々は複数の心的状態の推測方略を持ち、それらを使い分けていると考えられている。この点についてAmes(2004)は一連の研究から、類似性を感じる他者の心的状態の推測においては、自分の心的状態を利用する推測方略(投影)が用いられるが、類似性を感じない他者に対してはステレオタイプ知識を用いた推測方略(ステレオタイプ化)が使われることを示した。本研究では、4度にわたってAmes(2004)の追試研究を行ったが、その結果はいずれも仮説を支持するものではなかった。すなわち、標的人物の心的状態の推測において参加者は、知覚された類似性の高さに関わらず一貫してステレオタイプ化よりも投影を強く用いていたことが示された。推測方略の使い分けが生じる条件について精査する必要があると議論された。
キーワード
心的状態の推測、投影、ステレオタイプ化