早期公開 和文要約

[原著論文]
キリスト教信者におけるキリスト教的宗教意識と主観的幸福感との関連:ローマ・カトリック教会とホーリネス系A教団を対象にして
著者
松島公望(東京大学大学院総合文化研究科)
林 明明(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所行動医学研究部)
荒川 歩(武蔵野美術大学造形構想学部)
要約
本研究は、キリスト教信者を対象にキリスト教的宗教意識と主観的幸福感との関連を検討した。ローマ・カトリック教会(教団内地位別:一般信者58名、宗教指導者61名)とホーリネス系A教団(教団内地位別:一般信者646名、宗教指導者102名)が参加した。まずキリスト教的宗教意識尺度を作成した。因子分析の結果、「キリスト教の教え(教義)に基づいた信念(以下、「信念」)」「教会活動規範」「キリスト教会によって育まれる人間関係(以下、「人間関係」)」の3因子構造となった。次に、キリスト教的宗教意識と主観的幸福感との関連について検討した。階層的重回帰分析を行った結果、「信念」、「人間関係」が高い人ほど主観的幸福感が高いこと、それに対して所属教団の影響は限定的であることが示された。また、教団内地位の影響はみられなかった。これらの結果から、主観的幸福感は所属教団の影響があるが、キリスト教的宗教意識に依るところが大きいことが示唆された。
キーワード
キリスト教信者、キリスト教的宗教意識、主観的幸福感、ローマ・カトリック教会、ホーリネス系A教団
[原著論文]
観光写真調査法による観光地の魅力評価
著者
林 幸史(大阪国際大学人間科学部)
要約
本研究の目的は、観光写真調査法(TPM)によって、旅行者が、どのような観光資源を通して観光地の魅力を認知しているのかを明らかにすることである。75名の旅行者から調査協力が得られた。提供された742枚の写真を分析した結果、欧米の旅行者は、寺社建築や近代建築、仏像、日本家屋といった対象を通して、アジアの旅行者は、食べ物や店舗、灯籠や鳥居などの対象を通して奈良の魅力を評価していた。日本人旅行者においては、訪問回数の多い群が、石造遺跡、樹木植物といった対象を通して、訪問回数の少ない群は、同行者、寺社建築や鹿といった対象を通して奈良の魅力を評価していた。また、旅行者にとって奈良での観光経験は大きく3つのタイプに分類できることが示された。それらを踏まえて、TPMを用いた観光地の魅力評価の実践的意義についても考察した。
キーワード
観光地の魅力、観光写真調査法、観光資源、観光経験、外国人旅行者