完結記念のメッセージ

展望 現代の社会心理学 全3巻(誠信書房)
 

 本学会創立50周年を記念した事業はいくつかあります。2009年に開催された日本社会心理学会第50回大会・日本グループ・ダイナミックス学会第56回大会の合同大会、社会心理学事典(丸善、2009年)、そして、この「展望 現代の社会心理学」全3巻、誠信書房、2010,2011年)です。 構想から刊行完結まで3年、この展望シリーズの最終巻である第3巻目が、今年の本学会第52回大会時に合わせて刊行されました。3巻それぞれは300頁を超える、正しく、「現代」の社会心理学の研究動向を余すところなく示す、先端的な内容と言えるものです。わが国の中心的な社会心理学研究者が、それぞれの専門性を遺憾なく発揮した現代の社会心理学研究「標準」の書とも言えましょう。世の中の動向を敏感に察知し、個人を含む社会を横断的、縦断的に扱い、発信し続けていく社会心理学が扱う個々の事象には、時代的な推移もありますが、研究アプローチの仕方、人間を考える視点は異なるものではありません。その意味からしても、本シリーズは、20、30年と読み続けられるものと自負しています。
 このシリーズの特色は、関心の高いトピックスや最新研究成果を盛り込みながら,わが国の社会心理学の現状と将来の方向性を示すことにあります。つまり、現代の研究状況からさらに、その先を見据えることに重きをおいているのです。 多くの同学の諸氏、会員がここに盛り込まれている内容を改めて共有し、かつ、新たな発見をし続け、次の世代に繋いでいただきたいと願っております。
 

2011年10月 大坊郁夫(前会長、大阪大学教授)