日本社会心理学会第四十五回大会への招待

大会準備委員長
北星学園大学社会福祉学部 今川民雄

 第四十五回大会は、七月十八日(日)、十九日(月:海の日)の両日、札幌市厚別区大谷地の北星学園大学で開催いたします。

 さて本大会について、会員の皆様においでを願うメッセージをお届けするに当たり、お勧めのポイントとしてお知らせしたい点がいくつかあります。一つは開催時期についてです。久々に北海道で開催される大会ということもあり、梅雨がない(といわれる)北海道の快適さを味わっていただきたいという準備委員会のメンバーの思いから、七月という早い時期の開催になりました。学校関係にお勤めの学会員の皆様には、前期の終わりの何かとお忙しい時期にぶつかり、ご迷惑をおかけすることになるのかと思いますが、準備委員の意を汲んでいただいて、ラベンダーの花咲く北海道の初夏を満喫していただければと願っております。 

 ところで、私どもの大学は学会員が五人いるとは申せ、文学部の心理応用コミュニケーション学科と社会福祉学部の福祉心理学科の二つの学科に分かれて所属しておりまして、それぞれが微妙に異なった環境の中で異なった関心を持っております。そこでわれわれの力量にみあい「身の丈に合わせた」学会をということを考えました。大会メインの企画として、それぞれの学科に軸足を置いて、シンポジウムを二件用意させていただきました。これが二番目の「お勧め」です。 

 心理応用コミュニケーション学科が主体となってのシンポジウムは「地域の祭り考」と題するものです、本州とは異なる新興の地という条件の元で、祭りの主催者、行政、参加者のダイナミズムを考える上で札幌の祭りは格好のケースと考えられます。シンポジストとして、前札幌市長であり現札幌国際プラザ理事長桂信雄氏には、市長時代にミュンヘンのクリスマス市を札幌に誘致し開催に至る経緯と苦労をについて、また現札幌市経済局観光コンベンション部長渡邉恵氏には、雪祭り実行委員会の実務最高責任者としての立場から五十五年の歴史を持つ雪祭りの運営および今後の課題について、さらにYOSAKOIソーラン祭り組織委員会理事で「澄川精進蛍会」会長代行である日向寺良子氏には、参加者としての立場と組織運営者としての立場からYOSAKOIソーラン祭りの醍醐味と難しさについて話をしていただく予定です。 

 もう一つのシンポジウムは福祉心理学科の学会員が主体となっての「学校現場での社会心理学と臨床心理学の協働-その可能性を探る」をテーマとしたものです。「学校」という現場は、特定の地域に限定されるものではありません。ただ、福祉心理学科は大学院の心理学専攻に社会心理学領域と臨床心理学領域という二つの「コース」を抱えております。こうした特徴を生かした企画として、具体的な現場でのテーマということで、「学校」を取り上げました。臨床畑からは一昨年まで北海道臨床心理士会のスクールカウンセラー担当理事をされ、長年スクールカウンセラーもされている平野学氏に、スクールカウンセラーの経験の中から、臨床心理学に収まらない課題等をも提言いただく予定です。また、吉田俊和氏には、社会心理学者であり教育心理学者でもあるという立場もさることながら、現在付属学校の校長であるという経験を踏まえ、学校現場で社会心理学がどういう役割を果たしていくことができるのかについて、提言いただきます。最後に箕口雅博氏には、社会心理学者でありかつコミュニティ心理学の専門家であるという立場から、現在の学校の抱える課題に取り組んでいくにあたって、学校の中だけでなく学校を含む地域という視点の重要性を踏まえた提言をいただく予定です。なお指定討論者を津村俊充氏にお願いしてあります。グループワーク・人間関係トレーニングといった立場からのコメントを期待しています。 

 そしてもう一つのお勧め、自主企画によるワークショップには九件の応募がありました。以下順不同で挙げますと、

  • 丸山久美子氏の企画による「死生観の社会心理学的分析」
  • 小林哲郎氏の企画による「社会関係資本論はマクロ・マイクロをつなぐことが出来るか」
  • 竹村和久氏・唐沢かおり氏・藤井聡氏の企画による「プリスクリプティブ・アプローチ社会問題のための処方的研究」
  • 潮村公弘氏の企画による「ステレオタイプ的表象にかかわる認知操作研究の意義と課題」
  • 木村通治氏・横田賀英子氏の企画による「ファセット理論のパワーと実践」
  • 辻竜平氏・石黒格氏の企画による「社会心理学における社会ネットワーク的視点の意義:理論的背景と実証における有用性」
  • 山浦一保氏・菅沼崇氏の企画による「組織の「問題事象」と心理学的介入の行方-安全と効率のジレンマー」
  • 榎本博明氏・小林亮氏の企画による「自尊感情測定尺度開発の試み(3)」
  • 大坊郁夫氏の企画による「対人コミュニケーションのマルチ・チャネル性」

いずれも刺激的な内容のワークショップが展開されることが期待されます。

 研究発表件の申し込み数はこの原稿を書いている時点で三八八件と前大会より若干少なめですが、東京を離れての大会としては異例の多さといえるでしょうか。むしろ、社会心理学会の開催地は、発表者の足かせにはならない時代に突入したということかもしれません。北海道ということで、当日思いついての参加というわけにはいかないかもしれませんが、予約されていない学会員の皆様も多数ご参加いただきますよう、お待ちしています。