2023年度日本社会心理学会若手研究者奨励賞受賞者一覧(五十音順,所属等は応募時)
受賞者
汪明琛 玉川大学大学院脳科学研究科 修士課程1年
研究タイトル
なぜ戦いは絆を強めるのか?オキシトシンの役割
要約
映画や漫画などの娯楽作品では、敵であった者と戦いを通して、その者との間に絆が生まれて仲間になることが描かれることが多い。しかし、戦うと絆が形成するという現象は多くの人々の興味を引き、共感されていているにも関わらず、なぜそのような現象が生じているかについてはほとんど研究されてこなかった。そこで本研究では、戦うと絆が形成するという現象の背後にあるメカニズムについてオキシトシンに着目した研究を行う。オキシトシンはこれまで親子間やパートナー間、さらには人と動物の間に生じる絆の形成に重要な働きを持つことが明らかにされているが、近年ではオキシトシンが持つ抗ストレス作用に注目されている。本研究では負荷の高い運動を伴う戦いの後にはオキシトシンの分泌がみられ、ストレスが緩和すると同時に安心感が提供され、戦った者との間の絆が強くなることを実験により示すことを目的とした。
受賞者
川口周一郎 大阪公立大学 現代システム科学研究科 博士前期課程1年
研究タイトル
効果的利他主義の心理的メカニズム:寄付効果の認識と共感に着目して
要約
近年、効果的利他主義という社会運動が注目されている (e.g., Singer, 2015; MacAskill, 2018)。これは、同じ寄付額であっても、その使い方によってより受け手の利益につながる場合とそうでない場合があることを踏まえ、寄付の量だけを増やすのではなく質の高い寄付、すなわち効果的な寄付行動を促そうとする考え方である。
近年の研究では、人は寄付の効果に無関心である (e.g., Jaeger and Van Vugt, 2022) ことや、寄付の効果に目を向ける難しさが指摘されている (Berman et al., 2018; Burum et al., 2020) が、そもそも人がどのような心理的メカニズムに基づき寄付の効果を認識しているのかは十分に検討されていない。例えば、二重過程理論 (e.g., Evans, 2003) に基づけば、人々は効果に関する客観的な情報を提示されても効果的だと認識せず、むしろ寄付先に対して抱く共感に基づいて直観的に効果の判断を行う可能性も考えられる。
そこで本研究では、寄付の効果の認識と共感の度合いの関連を調べ、その関連の強さを左右する要因を明らかにすることを目的とする。
受賞者
後藤日奈子 専修大学大学院文学研究科 修士課程2年
研究タイトル
社会的不確実性が向社会的行動の個人差に与える影響
要約
向社会的行動には、素早い直感的なものと時間をかけた熟慮的なものの2つのタイプがあることが明らかにされている(Yamagishi et al., 2017)。しかし、この2つの向社会的行動の違いが生み出されるメカニズムはわかっていない。そこで、本研究では、これら2つ向社会的行動の違いは異なる社会環境への適応の結果として生じると考え、社会的不確実性の程度がこのような向社会的行動の個人差を形成するという仮説を検証する。社会的不確実性が低い社会環境では、他者から搾取される可能性が低いため、そこで暮らす人々は素早い直感的な向社会的行動を行うと考えられる。一方で、社会的不確実性が高い社会環境では、他者から搾取される可能性が高いため、そこで暮らす人々は時間をかけた熟慮的な向社会的行動を行うと考えられる。本研究では、社会的不確実性の指標として関係流動性に着目し、関係流動性の高い地域と低い地域に住む人々を対象としたオンラインでの経済ゲーム実験によりこの仮説を検証する。
受賞者
志水勇之進 愛知淑徳大学大学院心理医療科学研究科 博士前期課程2年
研究タイトル
感情解読の正確さと解読時の視線パターンの関連の検討
要約
送り手の発信するメッセージを読み取る,受け手の解読の正確さを高めることが対人関係の基本であり,円滑な関係をもたらす要因の一つである (大坊, 2006)。表情における感情解読では,男女間および自閉症患者と定型発達者の間で解読の正確さに差があるが,特定の顔領域への注視頻度や停留時間が異なるなど,解読時の視線パターンの違いが関連する (Hall et al., 2010; Pelphrey et al., 2002)。しかし,解読の正確さが高い者とそうでない者がどのような視線パターンを有し,その違いがどのように解読の正確さと関連するのかはいまだ明確でない。さらに,表情,ジェスチャー,声といった複数手がかりが利用可能な場合の感情解読における視線パターンと解読の正確さの関連についても明らかになっていない。
本研究では,解読の正確さの違いに着目したうえで,表情や複数手がかりが利用可能な場合の感情解読における視線パターンを検討することで,解読の正確さが高い者とそうでない者の解読時の視線パターンの特徴をそれぞれ明らかにする。
受賞者
下川詩乃 関西学院大学社会学研究科 博士課程前期課程1年
研究タイトル
意見の表明に金銭的報酬がある状況において、 意見分布はどのように変化するのか
要約
人々が自由に意見を表明できる場として、SNSがある。YouTubeだけでなく、X(旧Twitter)でも、有料ユーザーはポストの注目度に応じて金銭的な報酬を獲得できるようになった。人々が意見を述べる様々な場において、今後も金銭的報酬が発生するようなコミュニケーション制度が整っていく可能性がある。その結果、人々の意見を表明するインセンティブが変化していき、社会全体の意見分布が変動することが想定される。
本研究は、意見を表明する際にその注目度に応じて金銭的報酬が与えられる状況において、人々がどのような意見を表明するのか、そして、その帰結として社会全体の意見分布はどのように変動するのかを検討する。そのために、実験とシミュレーションの二つの手法を用いて、金銭的報酬がある場合とない場合における意見分布を比較する。本研究では、個人の意見表明の変化というマイクロな視点だけでなく、その相互作用によって形成されるマクロな意見分布の動向を解明する。
受賞者
永延佳那子 大阪公立大学大学院文学研究科 博士前期課程1年
研究タイトル
「先んじて協力を示す」ことの有効性とためらいの日米差
要約
本研究の目的は、人間関係におけるリスク全般を避けようとする日本人の傾向性に焦点を合わせつつ、「先んじて協力を示す」ことの意味とためらいの日米差を実証するとともに、日本人が主体的に相手に対して協力を示すことを不得手とする理由について、意思決定プロセスの分析を通して明らかにすることにある。これらの目的をかなえるため、本研究では、特定の制限時間内に協力するか非協力するかを自分の好きなタイミングで選択できる囚人のジレンマゲーム(以下、PDG)を用いて、1)日本人大学生はアメリカ人大学生よりも先んじて協力を示すことが苦手であることをまず実証する。さらに、PDGに意思決定の順序を設けた順次PDGにおける意思決定時間を操作する実験を実施し、2)日本人は熟慮に基づく意思決定を強いられるほど先んじて協力を示しにくくなる可能性も検討する。さらに眼球運動測定装置を用いて、3)日本人が先んじて協力を示しにくい理由は、裏切られてしまう可能性を過度に見積もるためであるという仮説についても検討する。
受賞者
三木毬菜 関西学院大学社会学研究科 博士課程前期課程1年
研究タイトル
遠い将来のことを考えると持続可能な選択をとれなくなる?:世代間協力割引仮説
要約
現代社会には持続可能性に関わる課題があり、課題の核には現世代の便益と将来世代の負担の利害対立構造があるとされる (西條, 2017) 。この状況においても特定の条件下であれば人が持続可能な選択をすることが観察されている(Kamijo et al., 2017)。また、将来の人への利他性の存在も示唆されている (Inoue et al., 2021) 。しかし、この行動選択のメカニズムの解明については議論の余地がある。
そこで、世代間持続可能性ジレンマゲームの修正版を用いて、人々が持続可能な行動をするメカニズムを数量的に示すモデルを作成した。そして、このモデルから「持続可能な選択をするためには将来に対する利他性が必要である一方、利他的な人ほど遠い将来を想定すると持続可能な選択が取りにくくなる」という直感的でない知見を得た。本研究では、モデルから得られたこのインプリケーションを検証するための実験室実験を行う
受賞者
山下美月 九州大学大学院人間環境学府行動システム専攻 修士課程1年
研究タイトル
リーダーシップとフォロワーシップの切り替えを促進する心理的メカニズム
要約
本研究の目的は,状況に応じてリーダーシップとフォロワーシップの両方を使い分けることができる人物(ダイナミズム型スタイル)の心理的メカニズムを明らかにすることである。昨今のリーダーシップ研究では,リーダー‐フォロワー-スイッチング理論(以下,LFS理論)という理論が提唱されている。これは,個人がその状況に応じてリーダーとフォロワーの役割を柔軟に切り替えるプロセスに着目しており,その役割を柔軟に切り替える人物の方がより良い成果をあげられるとする理論である(Sy & McCoy,2016)。しかし,LFS理論では理論的な枠組みに留まっており,LFSを促進する心理的メカニズムについては不明な点が多い。
そこで,本研究ではLFSを促進する要因として,状況要因の中でも「課題の不確実性」と「チーム内視点取得」に対する認知や「状況的謙虚さ」という自身の過ちや欠点を率直に認め,他者から積極的に意見を聞き入れようとする姿勢に着目した研究を行う。
これまでの若手研究者奨励賞受賞者一覧
年度 | 受賞者 | 所属(応募時) | 研究タイトル |
---|---|---|---|
2023 | 汪明琛 | 玉川大学大学院脳科学研究科修士課程1年 | なぜ戦いは絆を強めるのか?オキシトシンの役割 |
2023 | 川口周一郎 | 大阪公立大学 現代システム科学研究科博士前期課程1年 | 効果的利他主義の心理的メカニズム:寄付効果の認識と共感に着目して |
2023 | 後藤日奈子 | 専修大学大学院文学研究科修士課程2年 | 社会的不確実性が向社会的行動の個人差に与える影響 |
2023 | 志水勇之進 | 愛知淑徳大学大学院心理医療科学研究科博士前期課程2年 | 感情解読の正確さと解読時の視線パターンの関連の検討 |
2023 | 下川詩乃 | 関西学院大学社会学研究科博士課程前期課程1年 | 意見の表明に金銭的報酬がある状況において、 意見分布はどのように変化するのか |
2023 | 永延佳那子 | 大阪公立大学大学院文学研究科博士前期課程1年 | 「先んじて協力を示す」ことの有効性とためらいの日米差 |
2023 | 三木毬菜 | 関西学院大学社会学研究科博士課程前期課程1年 | 遠い将来のことを考えると持続可能な選択をとれなくなる?:世代間協力割引仮説 |
2023 | 山下美月 | 九州大学大学院人間環境学府行動システム専攻修士課程1年 | リーダーシップとフォロワーシップの切り替えを促進する心理的メカニズム |
2022 | 田中里奈 | 名古屋大学大学院博士前期課程2年 | 内受容感覚と内受容意識に及ぼす文化の影響とその説明要因の検討 |
2022 | 菅沼秀蔵 | 東京大学大学院修士課程1年 | 我々は先人からどう学ぶのか ―情報探索場面における系列的な社会学習の検討― |
2022 | 藤川真子 | 広島修道大学大学院博士前期課程2年 | 情報獲得において多数派の行動を過剰に模倣することは適応的なのか?: 多数派同調バイアスの実験的検討 |
2022 | 棗田みな美 | 広島修道大学大学院博士前期課程1年 | 社会的ジレンマ状況における多数派同調バイアスの適応的意義 |
2022 | 比留間圭輔 | 青山学院大学大学院博士前期課程1年 | 日本人が相互独立的な人を選好するとき |
2022 | 奥山智天 | 一橋大学大学院修士課程1年 | 社会経済的地位と幸福観:「小さな幸せ」は主観的幸福感の社会経済的格差を緩和するのか |
2022 | 大坪快 | 九州大学大学院修士課程 1年 | 「協力する気のある人しかここにはいない?」:集合行為を支える自主的な参加のメカニズムの検討 |
2022 | 上田寛 | 広島大学大学院博士課程前期1年 | アスリートのメンタルヘルス改善に向けた心理的安全性の効果検証 |
2021 | 野間 紘久 | 広島大学大学院人間社会科学研究科博士課程前期2年 | 抑うつスキーマの機能的側面による非機能的な帰結:スキーマの維持メカニズムの解明 |
2021 | 松村楓 | 大阪市立大学大学院前期博士課程1年 | 無知の自覚が社会政策に対する態度の緩和に及ぼす影響 ―個人実験及び小集団討議実験による検討― |
2021 | 宮崎聖人 | 北海道大学大学院文学院修士課程1年 | 一般的信頼および見知らぬ他者と協力する傾向が両方高く学習される条件の検討 |
2021 | 高橋茉優 | 東京大学大学院修士課程1年 | 社会保障はなぜ崩壊しないのか ―デフォルトの効果とマキシミン選好に着目して― |
2021 | 岡田葦生 | 京都大学大学院法学研究科博士後期課程2年 | 政治的会話回避の要因としての多元的無知 |
2021 | 李述氷 | 玉川大学大学院修士2年 | 受賞者李述氷(玉川大学大学院修士2年)研究タイトル社会的排斥経験が相互協調的自己観を形成する生物学的なメカニズムの解明 |
2021 | 森隆太郎 | 東京大学大学院人文社会系研究科修士1年 | 「協力する気のある人しかここにはいない?」:集合行為を支える自主的な参加のメカニズムの検討 |
2020 | 清水佑輔 | 東京大学大学院修士課程1年 | 「あなたが抱く高齢者への差別的態度は,あなたの将来に悪影響をもたらす 」―ステレオタイプ・エンボディメント理論を活用した差別的態度の軽減― |
2020 | 中越みずき | 関西学院大学大学院博士課程前期課程2年 | システム正当化理論の観点から低所得層の政治参加 を捉える |
2020 | 謝新宇 | 広島大学大学院博士課程前期2年 | 愛着不安が身体的攻撃につながるプロセスの解明:DV のエスカレート法則の観点から |
2020 | 前田楓 | 安田女子大学大学院博士後期課程2年 | 直観的な協力は集団の枠を超えられるか:最小条件集団パラダイムを用いた検討 |
2020 | 矢澤順根 | 広島大学大学院博士課程後期1年 | 対人関係におけるクリティカルシンキングの役割モデルの提案と検討 |
2020 | 柏原宗⼀郎 | 関西学院大学大学院博士課程前期課程1年 | 受け⼊れ拒否はなぜ⽣じるのか?:Zero-Sumの観点からの検討 |
2020 | 水野景子 | 関西学院大学大学院博士課程前期課程2年 | 罰がなぜ協力を阻害するのか?: 社会的ジレンマにおける罰による意思決定変容の検討 |
2019 | 中井彩香 | 首都大学東京大学院博士後期課程2年 | 保有資源の格差とその原因が協力行動に与える影響―保有資源が少ない人が抱く妬みに注目した検討― |
2019 | 尾崎拓 | 同志社大学大学院博士後期課程5年 | 「みんな」とは何割か: 記述的規範の閾値・個人差・個人内過程 |
2019 | 中田星矢 | 北海道大学大学院修士課程2年 | 教育による社会の発展をモデル化する:文化進化論からのアプローチ |
2019 | 笠原伊織 | 名古屋大学大学院博士後期課程1年 | 政治的情報に対する 選択的接触の生起条件:文化的自己観の差異に基づく接触過程の文化差に着目して |
2019 | 内藤碧 | 東京大学大学院修士課程2年 | 我々は他者の選択から何を学ぶのか?―集合知を支える社会的学習メカニズムの計算論モデリングによる検討― |
2019 | 前田友吾 | 北海道大学大学院修士課程1年 | ポジティブ状況羞恥の適応基盤 −生理指標を用いた比較社会生態学的検討− |
2019 | 池田利基 | 筑波大学大学院博士後期課程1年 | 柔らかさと社会的認知:皮膚感覚情報が愛着関連の自伝的記憶に与える影響 |
2018 | 伊藤篤希 | 京都大学博士課程1年 | 環境への適応戦略としてのヒエラルキーの実態の解明 |
2018 | 鈴木啓太 | 東京大学博士課程1年 | 暗黙理論の文化差生成・維持メカニズムの検討:課題変更可能性に着目して |
2018 | ターン 有加里 ジェシカ | 東京大学修士課程1年 | 「あなたがやるなら私はやらない」か「あなたがやるなら私もやる」か―ボランティアのジレンマにおける他者の協力意図と2種類の公正感受性― |
2018 | 早川美歩 | 名古屋大学修士課程1年 | 他者の身体を纏えば心も染まるか:VR による身体所有感の喚起が利他行動に及ぼす影響 |
2018 | 本間祥吾 | 北海道大学修士課程1年 | 環境変動性に対する適応としての心と社会の共進化:進化ゲーム・シミュレーションを用いた理論的検討 |
2018 | 横山実紀 | 北海道大学修士課程2年 | 公共的な合意形成場面における無知のヴェール下での議論の有効性について |
2017 | 竹部成崇 | 一橋大学大学院社会学研究科博士課程3年 | 安定を望む心がもたらす社会の不安定-不況の知覚が集団内分裂・集団間紛争を導くメカニズム- |
2017 | 谷辺哲史 | 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程1年 | ロボットが人間から援助を引き出す影響過程 |
2017 | 松尾朗子 | 名古屋大学大学院環境学研究科博士課程3年 | 日常的な道徳判断における判断基準の日米比較 |
2017 | 打田篤彦 | 京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程1年 | 地域共同体における公共空間の景観情報に基づく社会関係資本の推定 |
2016 | 岩谷舟真 | 東京大学大学院博士課程1年 | 多元的無知の維持メカニズム―逸脱者罰と関係流動性に着目して ― |
2016 | 白井理沙子 | 関西学院大学大学院 博士課程前期課程2年 | 個人の道徳基盤が道徳違反に対する初期の知覚処理プロセスを決定するか |
2016 | 黒田起吏 | 東京大学大学院 修士課程1年 | 信頼を支える認知・神経基盤:Social Value Orientationが裏切り回避に与える影響の定量的検討 |
2016 | 戸谷彰宏 | 広島大学大学院 博士課程前期2年 | 死の脅威に対する対処行動の包括的理解に向けて:世代・文化的自己観・愛着スタイルからの説明 |
2016 | 田崎優里 | 広島大学大学院 博士課程前期2年 | “反社会的特性の社会性”の実証 |
2016 | 土田修平 | 北海道大学大学院 博士後期課程2年 | 象徴罰の進化: 強化学習と進化ゲーム理論の統合ルールを用いた理論的・実証的検討 |
2015 | 中尾 元 | 京都大学大学院人間・環境学研究科 博士課程1年 | 包括的認知をめぐる異文化間能力に関する異文化間心理学と文化心理学の統合的研究 |
2015 | Charis Eisen | 神戸大学大学院人文学研究科 博士後期課程1年 | When the Absence of Choice Equals Freedom: Culture and Agency |
2015 | 鈴木伸哉 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科 博士前期課程2年 | モラル遵守のダークサイド:不公正と危害が援助要請の回避に及ぼす影響の検討 |
2015 | 仁科国之 | 玉川大学大学院脳科学研究科 修士課程2年 | 評価懸念の神経基盤の解明:VBMによる検討 |
2015 | 井上裕香子 | 東京大学大学院総合文化研究科 博士課程1年 | 利己的な協力は、利他性の評価を上昇させるか? |
2014 | 玉井颯一 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科 博士後期課程1年 | 社会的排斥の公正さを主張することの効果:“みんなのため”に追放することは承認されるのか? |
2014 | 中里直樹 | 広島大学大学院教育学研究科 博士課程後期1年 | 日本人の幸福感停滞の原因に関する検討:協調性の共有信念による自由選択の感覚の低減が幸福感に及ぼす影響 |
2014 | 白木優馬 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科 博士前期課程2年 | 感謝喚起による間接互恵性の連鎖 |
2014 | 平島太郎 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科 博士後期課程3年 | ポジティビティ・ネガティビティの同時活性による行動の柔軟性 ―社会的文脈に着目した検討― |
2014 | 河村悠太 | 京都大学大学院教育学研究科 修士課程1年 | 「他者の目」が利他行動を減らすとき:評判への動機と規範情報に着目して |
2014 | 植村友里 | 淑徳大学大学院総合福祉研究科 博士後期課程2年 | 利他行動の適応的基盤:関係深化シミュレーションを用いた検討 |
2013 | 櫻井良祐 | 東京大学大学院人文社会系研究科 修士課程1年 | 自我枯渇時における自己制御過程:既達成の目標を通じたセルフ・ライセンシング |
2013 | 山田順子 | 北海道大学大学院文学研究科 修士課程2年 | パートナー獲得戦略に及ぼす関係流動性の影響:排他的集中資源投資戦略の適応価をめぐって |
2013 | 鈴木貴久 | 総合研究大学院大学5年 一貫制博士課程4年 | 協力関係の拡張を可能にする評判システムの提案 |
2013 | 加村圭史朗 | 北海道大学大学院文学研究科 修士課程1年 | なぜ人は考えると協力しなくなるのか?:目標期待理論からの検討 |
2013 | 須山巨基 | 北海道大学大学院文学研究科 修士課程1年 | 累積的文化進化における文化伝播の果たす役割の探索的検討 |
2012 | 北梶陽子 | 北海道大学大学院文学研究科 修士課程2年 | 社会的ジレンマ状況における監視可能性の低い情報公開のもたらす効果 |
2012 | 小松瑞歩 | 北海道大学大学院文学研究科 修士課程1年 | 善行を罰する社会-関係流動性が突出協力者に対する評価と協力行動の隠蔽に与える影響 |
2012 | 末吉南美 | 関西学院大学大学院文学研究科 博士課程前期課程1年 | 集団による負の資源分配においての公正感認知と交渉過程―放射能汚染がれき受け入れ問題を題材として― |
2012 | 中分 遥 | 上智大学大学院総合人間科学研究科 修士課程2年 | なぜ有能な個人を選ばないのか?: 社会的学習におけるベストメンバー戦略の再検討 |
2011 | 後藤崇志 | 京都大学大学院教育学研究科 修士課程2年 | 自己制御における認知制御と感情・動機の関連性 |
2011 | 杉浦仁美 | 広島大学大学院総合科学研究科 博士課程後期2年 | 集団内、集団間地位による外集団攻撃過程の検討 -社会的支配志向性の観点から- |
2011 | 高浦佑介 | 東京大学大学院人文社会系研究科 修士課程2年 | 社会関係資本が環境配慮行動に及ぼす効果の検討 -マルチレベル分析の視点から- |
2011 | 長谷川由加子 | 上智大学大学院総合人間科学研究科 博士後期課程1年 | 情動の社会的共有が持つ真の機能の検討 -集団内成員の評判を普及させるのか- |
2011 | 李 楊 | 北海道大学大学院文学研究科 博士後期課程1年 | 日本社会と中国社会における信頼形成プロセスの差と、社会関係の拡張性に関する研究 |
2010 | 会津祥平 | 北海道大学大学院文学研究科 修士課程1年 | 他者からの排斥による痛みと排斥未然回避行動における社会差―社会生態学的アプローチによる検討― |
2010 | 浅野良輔 | 名古屋大学大学院 教育発達科学研究科 博士後期課程2年 | 親密な関係におけるサポートの階層的メカニズムの解明: 共同規範と交換規範は補完し合うのか |
2010 | 板山 昂 | 神戸学院大学大学院人間文化学研究科 博士後期課程1年 | 裁判員裁判における市民の公正感:決定者と評価者の視点からの検討 |
2010 | 白岩祐子 | 東京大学大学院人文社会系研究科 博士課程2年 | 裁判員裁判における第三者効果の生起プロセスの検討:素朴な感情観と被害者ステレオタイプの観点 |
2010 | 山田和樹 | 横浜国立大学大学院 国際社会科学研究科 修士課程2年 | 自己-他者間の心理的距離と他者の態度推測に関する比較文化的検討 |
2009 | 阿形亜子 | 大阪大学大学院人間科学研究科博士課程1年 | 集団内の役割分化メカニズムの解明 -他者補償行動の観点から |
2009 | 海老原由佳 | 東京大学大学院人文社会研究科修士課程2年 | 犯罪不安の社会的帰結について -親の「不審者不安」が子どもの発達に及ぼす影響 |
2009 | 塚本早織 | 名古屋大学大学院環境学研究科博士前期課程1年 | 偏見の基礎となる『しろうと理論』の実証的解明-社会的カテゴリの『本質主義的』認知 |
2009 | 縄田健悟 | 九州大学大学院人間環境学府博士後期課程1年 | 内集団成員からの協力期待がひきおこす集団間代理報復-集団間報復は集団内協力か? |
2009 | 藤原 健 | 大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程2年 | 感情の社会性の再考 -社会的相互作用に着目した検討 |
2008 | 橋本剛明 | 東京大学人文社会系研究科 | 社会的苦境場面における被害者/第三者の赦し:社会的目標に基づく認知・感情モデル |
2008 | 鳥山理恵 | トロント大学教育学研究所 | 文化特有の心理様式の伝達過程―日本とカナダの絵本を用いた検討 |
2008 | 引地博之 | 東北大学文学研究科 | 居住地における協力行動の促進要因:居住地の歴史資産と愛着の効果 |
2008 | 齋藤寿倫 | 北海道大学文学研究科 | 共感のプロセスとしての表情模倣現象の検討 |
2008 | 前村奈央佳 | 関西学院大学社会学研究科 | 親近性バイアスの影響に着目した共感力の再考:共感範囲測定の試み |
2007 | 堀田結孝 | 北海道大学文学研究科 | 不公正他者への罰行動の心理メカニズム:最後通告ゲームを用いた検討 |
2007 | 松本良恵 | 淑徳大学総合福祉研究科 | リーダー・成員間相互依存構造フレームの変換による二次的ジレンマの回避 |
2007 | 原田知佳 | 名古屋大学教育発達科学研究科 | 社会的自己制御(Social Self-Regulation)の内的プロセスおよび促進要因の検討 |
2007 | 笠置 遊 | 大阪大学人間科学研究科 | 複数観衆問題のメカニズムの解明:複数の他者に対する自己呈示的ジレンマの解決法の検討 |
2007 | 山本雄大 | 東北大学文学研究科 | 女性に対する優遇措置への接触が現状を正当化する |
2007 | 橋本博文 | 北海道大学文学研究科 | 文化特有とされる認知・知覚プロセスの適応的意義の検証 |
2006 | 石橋 伸恵 | 北海道大学文学部文学研究科修士課程2年 | 組織・集団におけるモチベーションの生起メカニズム-二八の法則の心理学的基盤- |
2006 | 犬飼 佳吾 | 北海道大学大学院文学研究科修士課程2年 | 感情の諸相と社会生態学的環境:フィールド調査と実験室実験を用いた検討 |
2006 | 小宮 あすか | 京都大学大学院教育学研究科修士課程1年 | 後悔の社会的適応メカニズムの検討 ―日米比較研究を通じて― |
2006 | 佐藤 剛介 | 北海道大学大学院文学研究科修士課程1年 | 社会の関係流動性が自尊心の効果に与える影響の検討 |
2006 | 杉谷 陽子 | 一橋大学大学院社会学研究科博士課程3年 | 信頼を築くコミュニケーション―不祥事報道において有効な情報提示方法の検討― |
2006 | 高岸 治人 | 北海道大学大学院文学研究科修士課程2年 | 負の互酬性と不衡平回避 -2つの不公正是正行動- |
2005 | 伊藤 公一郎 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士後期課程1年 | 動機の推論におけるポジティブ‐ネガティブ非対称性とその思考過程の分析 |
2005 | 菅 さやか | 神戸大学大学院文化学研究科博士課程1年 | ステレオタイプの言語的特質が人物理解に与える影響―日本語版言語カテゴリー・モデルの構築と共に― |
2005 | 太幡 直也 | 筑波大学大学院人間総合科学研究科 | 動機的要因が懸念的被透視感によって生起する反応に与える影響 |
2005 | 中島 誠 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科心理発達科学専攻博士後期課程1年 | 一般交換における公正性 ―世界に対する衡平仮説からの検討― |
2005 | 日置 孝一 | 神戸大学大学院文化学研究科2年 | 集団実体性が集団行為の責任と印象に及ぼす効果―企業内に生起した犯罪の場合を中心に― |
2004 | 木村 昌紀 | 大阪大学大学院人間科学研究科 | 社会的スキルとしての対人コミュニケーション認知メカニズムの解明 |
2004 | 竹橋 洋毅 | 名古屋大学大学院環境学研究科 | 目標フレーミング効果に潜在するメカニズムの解明 |
2004 | 横田 晋大 | 北海道大学大学院文学研究科 | 集団間競争が内集団協力を規定する心理過程に与える影響の検討 |
2004 | 田村 亮 | 北海道大学大学院文学研究科 | 恐怖伝染の実験的検討 -認知、および生理的手法を用いて- |
2004 | 藤本 学 | 大阪大学大学院人間科学研究科 | 話し手としての役割取得および会話パフォーマンスに及ぼす話者役割構成の影響に関する研究 |
2003 | 小林 哲郎 | 東京大学大学院人文社会系研究科修士課程2年 | 社会化過程における携帯コミュニケーションが異質な他者に対する非寛容性に及ぼす影響 |
2003 | 浅井 暢子 | 神戸大学大学院文化学研究科博士課程2年 | スティグマを付与された集団の成員における差別の知覚と対処過程の解明 |
2003 | 谷田 林士 | 北海道大学大学院文学研究科博士後期課程2年 | 共感の情動的側面の適応基盤についての研究 |
2003 | 磯部 智加衣 | 広島大学生物圏科学研究科博士課程後期2年 | 自己カテゴリー化の再検討 -その能動的側面に注目して- |
2003 | 鈴木 直人 | 北海道大学大学院文学研究科修士課程2年 | 社会制度と心の社会性 |
2003 | 竹村 幸祐 | 北海道大学大学院文学研究科修士課程2年 | 集団協力行動の生起プロセスにおける文化差:日米比較実験による検討 |
2002 | 金児 恵 | 東京大学院人文社会学系研究科博士後期課程3年 | コンパニオン・アニマルが日本人の社会的ネットワークに与える効果の検討―愛着のタイプの分析を通じて― |
2002 | 品田 瑞穂 | 北海道大学大学院文学研究科修士課程2年 | 秩序問題の解決としての社会的埋め込み-感情と交換ドメインの連結に関する実験研究 |
2002 | 五十嵐 祐 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士前期課程2年 | 携帯メールの利用が社会的ネットワーク構造に与える影響 -携帯メールは対人関係を希薄化させるか?- |
2002 | 小城 英子 | 関西大学大学院社会学研究科博士後期課程3年 | 明石歩道橋事故における新聞報道の分析-責任帰属と世論形成の観点から見た災害報道- |
2002 | 真島 理恵 | 北海道大学大学院文学研究科修士課程1年 | 利他行動の成立 -選別的利他行動の適応的基盤- |
2001 | 針原 素子 | 東京大学院人文社会学系研究科 | 日本人の自己卑下傾向の生成過程について:なぜ日本人は自己卑下するようになったのか? |
2001 | 小川 一美 | 名古屋大学院教育発達科学研究科博士後期課程3年 | 会話者の関係性が相互作用パターンに及ぼす影響:役割と平等性の視点から |
2001 | 畑中 美穂 | 筑波大学院心理学研究科 | 発言の抑制行動に至る意思決定過程-コミュニケーション・スキルの程度による判断内容の差違の検討- |
2000 | 田鍋 佳子 | 神戸大学文化学研究科 | 共有的信念としてのステレオタイプ |
2000 | 藤田 政博 | 北海道大学文学研究科 | 日本における陪審・参審制度の可能性――復活あるいは創設の可能性の実際的検討―― |
1999 | 大野 俊和 | 北海道大学大学院博士後期課程/日本学術振興会特別研究員 | 「いじめ」の素人理論とその社会的・制度的基盤の解明 |
1999 | 佐野 真子 | 東京大学大学院人文社会系研究科 | 親密な関係におけるネガティブコミュニケーション:親しき仲にも礼儀はあるか? |
1998 | 足立 にれか | お茶の水女子大学 | 自己呈示におけるキャリー・オーバー効果の生起プロセス:コミットメント説の検討 |
1998 | 鈴木 佳苗 | お茶の水女子大学 | 認知的複雑性の発達的変化のメカニズム:コンピュータシミュレーションによる検討 |
1998 | 中田 栄 | 兵庫教育大学大学院・日本学術振興会 | 向社会的行動における自己統制の役割とその規定要因の検討 |
1997 | 久保田 健市 | 筑波大学 | 少数派および多数派集団の集団間差別と移行可能性(2) |
1997 | 坂元 桂 | お茶の水女子大学 | 刺激の表記形態の差違が閾下単純接触効果および有名性効果に及ぼす影響 |
1997 | 杉浦 淳吉 | 名古屋大学 | ゴミ分別回収の導入が住民の社会的利益・個人的負担の認知に及ぼす時間的影響 |
1996 | 安野 智子 | 東京大学 | |
1996 | 樋口 康彦 | 関西大学 | |
1995 | 大坪 庸介 | 北海道大学 | |
1995 | 森 津太子 | お茶の水女子大学 | |
1994 | 合田 美加 | 近畿大学青鞜女子短期大学 | |
1994 | 潮村 公弘 | 東北大学 | |
1993 | 伊藤 哲司 | 名古屋大学 | |
1993 | 佐藤 達哉 | 東京都立大学 | |
1992 | 柿本 敏克 | 大阪大学 | |
1992 | 榧野 潤 | 日本労働研究機構 | |
1991 | 矢守 克也 | 関西女子短期大学 | |
1991 | 吉原 智恵子 | 学習院大学 | |
1990 | 田中 堅一郎 | 日本大学 | |
1990 | 中川 薫 | 東京大学 | |
1989 | 坂元 章 | 東京大学 | |
1989 | 土肥 伊都子 | 関西学院大学 | |
1988 | 広沢 俊宗 | 関西学院大学 | |
1988 | 吉川 肇子 | 京都大学 | |
1987 | 西道 実 | 関西大学 | |
1987 | 竹村 和久 | 同志社大学 | |
1986 | 久田 満 | 慶應義塾大学 | |
1986 | 古澤 聡司 | 一橋大学 | |
1985 | 飛田 操 | 学習院大学 | |
1985 | 吉田 寿夫 | 広島大学 | |
1984 | 奥 正廣 | 東京工業大学 | |
1984 | 作道 信介 | 東北大学 | |
1983 | 石井 徹 | 京都大学 | |
1983 | 佐藤 郁哉 | 東北大学 |
若手研究者奨励賞選考委員
2023年度
委員長
山下玲子
委員
大江朋子、相馬敏彦、宮本聡介、森津太子
2022年度
委員長
工藤恵理子
委員
竹橋洋毅、田中知恵、谷田林士、新谷優
2021年度
委員長
工藤恵理子
委員
浦光博、内田由紀子、中西大輔、森久美子
2020年度
委員長
岡隆
委員
小川一美、渡邊芳之、沼崎誠、林直保子
2019年度
委員長
岡隆
委員
小川一美、渡邊芳之、沼崎誠、林直保子
2018年度
委員長
唐沢かおり
委員
堀毛一也、池上知子、 新谷優、村上史朗
2017年度
委員長
唐沢かおり
委員
堀毛一也、池上知子、 新谷優、村上史朗
2016年度
委員長
山口裕幸
委員
外山みどり、浦光博、岡隆、辻本昌弘
2015年度
委員長
山口裕幸
委員
北村英哉、外山みどり、今井芳昭、山浦一保
2014年度
委員長
相川 充
委員
北村英哉、高橋伸幸、池上知子、吉田寿夫
2013年度
委員長
相川 充
委員
安藤玲子、松浦均、菅原健介、吉田寿夫
2012年度
委員長
遠藤由美
委員
安藤玲子、小林知博、高橋伸幸、山田一成
2011年度
委員長
遠藤由美
委員
石井敬子、角山 剛、斎藤和志、辻 竜平
2010年度
委員長
唐沢 穣
委員
青野篤子、伊藤忠弘、大沼 進、藤原武弘
2009年度
委員長
唐沢 穣
委員
大沼 進、坂田桐子、堀毛一也、山田一成
2008年度
委員長
大渕憲一
委員
上野徳美、岡本浩一、高橋伸幸、西道 実
2007年度
委員長
大渕憲一
委員
岡本浩一、高橋伸幸、西道 実、蓮花一己
2006年度
委員長
池田謙一
委員
池上知子、川上善郎、堀毛一也、山口裕幸
2005年度
委員長
池田謙一
委員
池上知子、川上善郎、堀毛一也、山口裕幸