2007年度日本社会心理学会若手研究者奨励賞受賞者一覧

受賞者
堀田結孝(北海道大学文学研究科)
申請課題
不公正他者への罰行動の心理メカニズム:最後通告ゲームを用いた検討
申請内容

 社会心理学では、Adams(1963)以来の衡平研究の中で不公正是正行動に対する検討が積極的に行われてきたが、行動経済学においても、近年、不公正是正のための罰行動に対する関心が高まり、理論的・実証的研究が多く蓄積されている(Fehr & Gachter, 2002など)。社会心理学における衡平研究の蓄積を無視した経済学者によるこれらの研究では、罰行動は人々の公正性に対する選好の表明であり、社会秩序の維持に不可欠な行動として理解されている。これに対して堀田・山岸(2007)は、一見公正性への選好に基づくように見える罰行動に、単純な“公平さへの選好”以外の心理的要因が少なからず含まれていることを指摘した。本研究はこの知見を出発点とし、相互作用状況における適応的機能から罰行動を捉え、経済学者が扱っている不公正に対する罰行動の背後にあるいくつかの心理機序を明らかにすることを目的としている。


 上述の目的を達成するための方法として、人々は不公正他者を罰せない状況でも不公正結果を甘受しないように動機付けられ、また、罰行動の生起には不公正結果そのものよりも他者から軽視された感覚が大きな役割を果たしていることを示すための、最後通告ゲームを用いた以下の研究1・2を実施する。最後通告ゲームでは、分配者と被分配者の間で金銭の分配を行う。被分配者は、分配者からの分配額を受け取るか、あるいは受け取りを拒否して互いの報酬をゼロにするかを決める。これまでの研究では、多くの被分配者が不公正分配を拒否する傾向にあり、不公正分配の拒否は公正性の追求に基づく罰行動の代表例として捉えられている。


 研究1:拒否によって金銭的・心理的罰を実現できない、以下の2種類の“一方的最後通告ゲーム”を実施し、罰行動における公正性の追求以外の動機の相対的重要性を検討する。一方的最後通告ゲームでは、被分配者が拒否しても被分配者の報酬のみがゼロになり、分配者は自分に分けた金額をそのまま受け取る。加えて、分配者は被分配者に拒否の選択があることすら知らず、被分配者の拒否が分配後も伝わらない一方的最後通告ゲームを行う。これらのゲームでの拒否行動は、分配者と被分配者間の利益格差を余計に広げるため、公正な分配結果の追求動機では拒否を説明できない。堀田・山岸(2007)は、これらのゲームでもかなりの割合で拒否が生じることを示し、不公正を甘受しないように自身を拘束することで他者からの軽視・搾取を避けるコミットメント戦略(Frank, 1988)が、罰行動で重要な役割を占める可能性を指摘している。場面想定法に近い意思決定方法を用いた堀田・山岸(2007)に対し、本研究では現実的な分配場面に近い実験状況で追試し、この知見の頑健性を検討する。


 研究2:一般人参加者を対象とし、分配者の社会的属性(年齢・性別・社会的地位等)を明示した最後通告ゲームを行い、軽視感覚の低い関係性では不公正分配の拒否が低減することを示す。最後通告ゲームでの拒否行動が純粋に公正性の追求に基づくならば、分配者の社会的属性に関係なく、被分配者は不公正分配を拒否すると思われる。しかし、罰行動に他者からの軽視を避けるコミットメント戦略としての側面があるならば、例えば高地位の者から不公正分配をされる場合等、相手からの軽視感覚が低い関係性では拒否が低減すると思われる。
受賞者
松本良恵(淑徳大学総合福祉研究科)
申請課題
リーダー・成員間相互依存構造フレームの変換による二次的ジレンマの回避
申請内容

 社会的ジレンマ(Social Dilemma;以下SD)は共同体の中で我々が直面する問題の1つである。これを放置すれば共同体の存続を脅かす。だが逆に言えば現実社会における共同体の存在は、この問題が何らかの方法で回避されてきた証である。この解決策の1つは制裁を用いてSDの構造を変える方法だが、今度はそれを誰が行使するかという二次のジレンマを惹起する点で問題がある。現実社会ではこの問題がいかに解決されているのだろうか。


 本研究ではその方法を、成員とリーダーの相互作用の側面から解明することを目的とする。集団では一般的にリーダーが非協力者へ制裁を行使し、成員がそれを支援するという役割分担が存在する。もちろんこれだけでは、成員がリーダーを支援しないという二次のジレンマ問題の発生が予測される。但し本研究では実験室実験によって、リーダーの行動で二次のジレンマのフレームが変わることにより成員の支援を引き出しうることを明らかにする。


 集団で制裁機能を果たすリーダーを、成員が支援するかという問題は、公共財問題に他ならない。n人間の公共財問題では非協力が優越するため、成員の支援を引き出すことは困難である。だがこの状況では、別のフレームを成員に与えることも可能である。そのフレームとはリーダーと成員の二者間のフレームである。n人間ではなく二者間では、相手から協力を引き出すことが可能となる(Axelrod,1984)。つまり成員が二者間のフレームを持つのなら、支援が期待できるのである。現実場面でも我々は、集団内のリーダーを特定の個人としてみなし「あのリーダーになら支援したい」と思って支援することは少なくない。このように成員の持つフレームを変更できれば、二次のジレンマは回避可能になる。


 問題はフレームが何によって変わるのかである。二者間における相互作用では、自らが先に協力することが相手の社会的交換ドメインを活性化させ、協力を引き出すことが明らかにされている(Yamagishi & Kiyonari,2002)。従ってリーダーが成員の行動に先立って制裁行使にコミットすることで、成員側にリーダーとの二者間のフレームを生じさせ、支援を引き出せると考えられる。これは現実場面でリーダーの責任ある行動が成員の支援を引き出す過程を解明するものとなるだろう。参加者は5人1組で実験に参加する。但し互いに対面しないよう1人ずつ別のブースに通し、実験はネットワークで繋がったコンピュータを介して行う。参加者は、実験報酬をもとにSDの「協力・非協力」を決定する。実験ではその前に、参加者から1人がリーダーに選ばれる。リーダーが行うのは、SDにおける非協力者に対する制裁の「行使・非行使」を予め決定することである。行使を選ぶと、制裁のためのコストを自ら負担することになる。一方、他の参加者はSDの決定前に、成員としてリーダーへの「支援・非支援」を決定する。支援を選ぶと、リーダーの制裁コストの一部を負担することになる。


 この実験のポイントは、リーダーが制裁の「行使・非行使」の決定を1)成員が支援・非支援の決定を終え支援額が確定した後に行うか、2)成員の支援・非支援の決定前に行うか、選ぶことが出来る点にある。後者を選ぶ場合に、前者を選ぶ場合より支援が増えれば、リーダーの行動で成員のフレームが変わることで、二次のジレンマが解決されうることが示せるだろう。
受賞者
原田知佳(名古屋大学教育発達科学研究科)
申請課題
社会的自己制御(Social Self-Regulation)の内的プロセスおよび促進要因の検討
申請内容

 本研究は,「社会的場面で,個人の欲求や意思と現状認知との間でズレが起こった時に,内的・外的基準の必要性に応じて自己を主張するもしくは抑制する能力」である社会的自己制御(Social Self-Regulation; SSR)の内的プロセスとその促進要因を明らかにすることを目的とする。SSRは,脳科学的基盤が仮定されている気質レベルの自己制御を土台に,成長の過程で身につく能力レベルの自己制御であり,原田・吉澤・吉田(2007)では,SSRが社会的迷惑行為や逸脱行為といった反社会的行動の抑止要因であることを明らかにした。従来の自己制御研究は,A)自己制御の個人差に焦点を当てた研究と,B)自己制御のプロセスに焦点を当てた研究とに分類することができる。本研究では,まず,Aに分類されるSSR研究において,Bに分類される先行研究の知見が,SSRの促進に応用可能かどうかを検討する。次に,SSRの規定要因として社会環境システムおよび友人・仲間集団との対人相互作用経験を取り上げ,SSRを促進する要因を特定するための研究を行う。


 <研究1:SSRにおける解釈レベルの効果とマインドセットの効果>

自己制御のプロセスに焦点を当てた研究では,近年,解釈レベル理論(Trope & Liberman, 2003),および,行動段階モデルに基づいたマインドセット(行動の開始から目標の達成までのプロセスに特徴的な認知,思考状態)に関する研究(Gollwitzer,1990)が活発に行われており,自己制御行動の促進を導く実証的な知見が得られ始めてきている。両理論に基づく研究は,いずれも,あらかじめ行う実験操作で特定の認知状態を促すことによって,後の自己制御行動の成功を導くというものである。しかし,先行研究の多くは,後のパフォーマンスとして認知課題等の単純課題を用いて検討が行われており,現実場面や個人にとって重要な行動に対する効果を確認する必要があるとの指摘がある(Armor & Taylor, 2003)。そこで,本研究では,SSRが必要とされる社会的場面の葛藤場面シナリオを用いて,解釈レベルの効果とマインドセットの効果を検討する。葛藤場面シナリオについてはSSR尺度項目から考案し,効果については,葛藤場面における相対立する2つの行動に対し,行動の「価値(重要度)」「コスト」「意図」の評価,および「実際に選択する行動」を尋ねることで,あらかじめ操作した認知状態がどの側面に影響を与えるのかを明らかにする。その際,事前にSSR尺度を用いて,SSR能力の個人差を測定した上で実験を行う。本研究で,SSR能力が低い個人に対しても,高次解釈や遂行的マインドセットを形成させることで自己制御の成功を導くことが明らかになれば,実際のSSRの教育方法の一つとして応用できる可能性がある。


 <研究2:SSRの促進要因の検討>

研究1で得られた結果は,短期的な効果を示すものでしかない。長期的な視点から見た場合,従来の研究では,自己制御の促進要因として主に親の養育態度が取り上げられてきたが,青年期までのSSRの形成・発達には,遠隔的影響要因として社会環境システムが,近接的影響要因として友人・仲間集団との対人相互作用経験が,深く関与していると考えられる。本研究では,まず,前者として,地域共同体が有する資源や,地域住民の協力体制や密着性の度合いを示す集合的有能感(collective efficacy)を取り上げ,SSRへの影響を検討する。後者については,面接により,友人・仲間集団との具体的な相互作用経験の内容に関する情報を収集し,SSRの促進要因を特定する。

受賞者
笠置 遊(大阪大学人間科学研究科)
申請課題
複数観衆問題のメカニズムの解明:複数の他者に対する自己呈示的ジレンマの解決法の検討
申請内容

 本研究の目的は、複数観衆状況における自己呈示の心理的メカニズムとその効用を解明することである。従来、2者間コミュニケーションにおける自己呈示が検討されてきたが、その射程は当人の精神的健康や、相手との良好な関係の向上・維持にとどまっていた(e.g., Swann, 2005)。しかし、日常生活ではさまざまな対人関係が同時並行的に展開しており、異なる印象を与えたい二人以上の他者が同時に存在するとき、呈示者は複数観衆問題[multiple audience problem]というジレンマに陥ることが報告されている(Fleming, 1994)。複数観衆問題による自己呈示の失敗は、自尊心の低下や関係崩壊につながるため(Leary, 1999)、実践的観点から解決策が望まれるとともに、2者間コミュニケーションから構築された諸理論に一石を投じる意味でも研究実施の必要性が高いと思われる。


 Swann et al. (2002)は、相手が同性の場合と異性の場合とで、呈示したいイメージが異なることを指摘している。また、笠置・大坊(2007)では、異性に対する外見的魅力の自己呈示が同性からの否定的な評価を導くことを確認している。これらの研究から、異性及び同性が同時に存在する場面は複数観衆問題が顕在化する典型例であると判断できる。そこで本研究では、異性及び同性への自己呈示に焦点を当てることにより、複数観衆問題のメカニズムを精緻化して捉えるよう試みる。


 加えて、従来の研究は場面想定法によるアプローチを採用していたが、複数観衆状況では、動機レベルで相手に呈示したいと思う自己像と、実際に表出した行動との間に乖離が生じる可能性が考えられ、行動指標も変数として測定する必要がある。また、観衆との親密さにより、自己呈示内容が制約されるため(Baumeister & Jones, 1978)、親密さを操作した条件も設定することで、より生態学的妥当性の高い解決モデルの示唆が可能となる。


1 デザインは 2 (条件: 複数観衆条件 vs 統制条件) × 2 (観察者との親密さ: 未知 vs 親密)。従属変数は話者の自己呈示動機および自己呈示行動、観察者の話者についての印象。仮説は、複数観衆条件では、同性の観察者からの否定的評価を避けるために、外見的魅力の自己呈示を抑制するが、しかし、それでは異性に対する自己呈示目標は達成されないため、他の特性を肯定的に呈示するという補償的自己呈示(Pliner & Chaiken, 1987)が見られるであろう、とういもの。参加者は、未知関係もしくは親密な関係にある大学生80組160名とする。参加者のうち1人は、未知関係にある実験協力者(異性もしくは同性)と短時間の会話実験を行う話者、もう1人は観察者として横に座り、会話を観察する。会話の様子はデジタルVTRに撮影する。会話終了後、話者には、会話相手及び観察者への自己呈示動機(Leary et al., 1994)について、観察者には、話者の印象について回答を求める。行動指標については、撮影したデジタルVTRをもとに、仮説を知らない独立したコーダー4名が、パソコン解析ソフトを用いて、各話者の自己呈示行動のコーディングを行う。笠置・大坊(2007)をベースラインとし、本研究結果と比較検討することで(図1)、複数観衆問題の解決を目指す。

受賞者
山本雄大(東北大学文学研究科)
申請課題
女性に対する優遇措置への接触が現状を正当化する
申請内容

 性差別は、様々な形で表出される。あるものは明らかに敵対的な形で、あるものは友好的な形で表出される。重い荷物を持っている女性を助ける。女性に食事代を奢る。これら友好的な形で表出される差別は慈悲的性差別と呼ばれ、女性に対して否定的な結果をもたらす点において、敵対的性差別と差異はない。しかしながら、女性を含む多くの人々は、この慈悲的性差別を女性に対する配慮や差別的意図を含まない肯定的行動としてみなす傾向が強い。そして、この行為者の差別的意図の欠如は、慈悲的配慮を受け取った女性自身でさえも差別の原因を内的に帰属することを促進する。これらの指摘は、慈悲的な性差別への接触が、より深刻な性差別を受容し正当化する機序となる可能性を示唆している。そこで、日常的に目にする女性限定プランなど、経済的利益側面を強調する女性優遇措置への単純接触効果が、性差別の正当化を促進するとの予測を立てて検討を行う。仮説は、女性優遇措置への単純接触効果が、性差別の正当化と受容を促進するというもの。


 参加者は大学生男女120名。実験参加者が接触する優遇措置(女性優遇・学生優遇・統制群)を操作し、1要因3水準の被験者間計画で行う。実際に使用されている広告を参考に、旅行・ホテル・飲食店の3枚のチラシを作成し、そのチラシの中に女性もしくは学生が優遇されている記述を組み込む。統制条件で呈示されるチラシにはそのような記述を含まない。性差別に対する正当化と受容度を測定するために、(a)ジェンダーに関する体制正当化信念尺度(Jost & Kay, 2005)を日本語訳したものと、(b)性差別と一形態であるセクハラに対する受容度に回答させる。後者は、セクハラ・シナリオを呈示し(例:あなたは今、就職活動の真っ最中です。現在あなたは最も就職を希望しているA社の最終面接に残っています。最終面接の1週間前に人事部長尾からデートの誘いがありました。人事部長の誘いを断っても選考から落ちることはありませんが、誘いに応じれば内定の可能性が高くなるという話を噂で聞きました)、「デートに行くかどうか(セクハラ受容)」と「人事部長からの誘いがどれくらい不快か(セクハラ認知)」などの質問に回答を求める。

受賞者
橋本博文(北海道大学文学研究科)
申請課題
文化特有とされる認知・知覚プロセスの適応的意義の検証
申請内容

 文化特有とされる信念および認知・知覚プロセスはなぜ存在するのか。本研究では、共有された信念体系の自己維持的システムとして「制度」を捉える比較制度経済学(Aoki, 2001)のフレームワークを援用し、この問いに対する説明を試みる。これまで、東アジア人に特有の信念とそれに従う行動、そして集団からの排除が致命的となる集団主義的制度の間のダイナミックな相互規定関係(共進化)を分析する「制度アプローチ」(Yamagishi, Hashimoto & Schug, in press)によって、文化特有の信念の適応的意義が検証されてきた。しかし、近年多くの関心を集めている文化特有の認知・知覚プロセスに関しては、いまだ十分に検証されていない。本研究の目的は、文化特有の認知・知覚プロセスに存在すると考えられる「特定の制度のもとで重要となる信念の共有を促進させる働き」を検証し、その適応的意義を明らかにすることにある。


 予備調査:これまでに文化特有の認知・知覚プロセス(周囲に注意を払いやすい東アジア人の包括的な認知・知覚プロセス、あるいは対象そのものに注意を向けやすい欧米人の分析的な認知・知覚プロセス)を示してきた複数の課題(たとえばChua, Boland & Nisbett, 2005; Masuda & Nisbett, 2006など)を、大学生および一般サンプルを対象として追試する。予備調査によって信頼性と妥当性ともに高い課題を選定したうえで、以下の2つの研究を実施する。


 研究1:Griefの制度論(1994; 2006)を参考に、2種類の制度(集団主義的制度と個人主義的制度)を実験室に作り出し、それぞれの制度を経験した参加者の認知・知覚プロセスの変化を検証する。具体的には、8名の参加者集団を用いて、相互監視による制裁が可能、つまり評判によって非協力的な成員を排除することが可能な繰り返しのある社会的ジレンマゲームを行う条件(集団主義条件)と、相互監視による制裁を伴わず、あくまで個々人が自己利得を最大化できる繰り返しのある社会的ジレンマゲームを行う条件(個人主義条件)を独立変数として設定する。従属変数は上述の予備調査において選定された課題成績の変化量であり、課題は実験の前後に行う。仮説は、集団主義条件の参加者は東アジア人に特有とされる認知・知覚プロセスをより示しやすくなる一方で、個人主義条件の参加者は、欧米人に特有とされる認知・知覚プロセスをより示しやすくなるであろう、とういうものである。


 研究2:研究1では制度を操作することによる認知・知覚プロセスの変化を検証するが、研究2では人々の認知・知覚プロセスが制度生成に与える影響を検証する。予備調査で選定された課題成績によって、東アジア人に特有とされる認知・知覚プロセスをより示しやすい参加者集団と、欧米人に特有とされる認知・知覚プロセスをより示しやすい参加者集団に分類し、それぞれの集団内で繰り返しのある社会的ジレンマゲームを実施する。そして、それぞれの集団においてどのようなマクロな均衡(すなわち制度)が達成、維持されるかを検証する。仮説は、東アジアに特有とされる認知・知覚プロセスを示しやすい参加者集団は、より集団主義的制度を達成、維持しやすい一方で、欧米人に特有とされる認知・知覚プロセスを示しやすい参加者集団は、より個人主義的制度を達成、維持しやすい、である。