日本社会心理学会第四七回大会(東北大学)への誘い
大会準備委員長
東北大学 大渕憲一
七月も後半だというのに、日本列島はまだ厚い雨雲に覆われています。東北に夏はまだやってきませんが、九月中旬に予定されている仙台大会までは残すところ二ヶ月を切りました。開催時期が他学会とも重なり、会員の方々にはご迷惑をおかけしましたが、それにも拘わらず、発表申し込みと参加者数はほぼ例年並みになりそうで、主催者側としてもひとまず胸をなで下ろしております。
大会プログラムは、このニューズレターとほぼ同時期に皆様のお手元に届くと思いますが、主な企画をいくつかご紹介したいと思います。特別講演では、スタンフォード大学のD・グラスキー教授(社会学)をお迎えして、『社会的不平等の測定――方法論的再考』という演題でご講演いただきます。現代日本は格差社会が進展しているといわれていますが、これに関する科学的分析の手法についておうかがいできるものと思います。また、アジア社会心理学会、グループ・ダイナミックス学会との共催による特別企画シンポジウム『異文化間交流研究の最前線』(山口勧氏企画)では、シンポジストのお一人として、ウェリントン・ビクトリア大学のC・ウォード教授をお招きする予定です。このほか、『社会の中のライフサイクルとコミュニティ』『Well-beingを希求する人類の営み』『外見重視社会における「目に見える違い」』などのシンポジウムが企画されています。
これらをご覧いただくとお分かりのように、本大会では、社会学、人類学、障害学など、隣接諸領域とのコラボレーションを企画の基本に据え、各分野の方々のご協力を得てその実現を図っています。例年とはひと味違った大会をお楽しみいただけるものと思っております。
大会内容ではありませんが、参加者の皆様に是非ご紹介したいものがあります。開催地である東北大学川内キャンパスに隣接して『東北大学理学部付属植物園』があります。北大の植物園ほど知られてはいませんが、内容は勝るとも劣らないものと自負しております。川内キャンパスは、江戸時代、伊達政宗が構築した青葉城の曲輪内で、植物園はその一角にあります。植物園とはいっても、青葉山の谷筋を自然のままに残した野性味溢れる景勝地です。森が深くて不気味な感じのところすらあります。学会の合間に是非訪れてみてください。一見の価値はあります。
宿泊に関してご注意いただきたいことがあります。本大会と重なる日程で、仙台において『マスターズ陸上』が開催されるため、期間中のホテルがだいぶ窮屈になっています。特に大会前日(九月一六日)の空室が少ないようです。万一のことを考えて、大会初日(一七日)は、東京などからも当日参加できるよう研究発表は一○時半開始としましたが、前日からご宿泊予定の方は、早目に大会HPから東北大学生協にお申し込み下さい。
また、託児の利用を希望される方は八月二二日(火)までにお申し込みください。やはり大会HPに申込み方法の詳細を掲載しておりますので、ご参照の上、お早めに手続きをお願いします。
いろいろご不便をおかけすることもあろうかと思いますが、準備委員会一同、皆様のお越しをお待ちしております。