1.研究室,ゼミの特徴(研究テーマ,学べる内容)
広島修道大学健康科学部心理学科は人文学部人間関係学科心理学専攻を改組して2017年にできる新しい学科です。心理臨床コース、心理調査コース、心理科学コースの3コース制をとっており、心理調査コースには2名の社会心理学者が在籍しています (予定)。研究テーマとしては、集団や社会的影響、進化・適応などが中心です。学べる内容としては、社会心理学、実験社会心理学、応用心理学、集団力学、進化心理学、組織心理学、産業心理学などです。
心理学科は、8号館4階の「こころLAB」で活動しており、学生が自由に使うことができる各種実験室 (独立した2つの防音室、録画システムを備えたプレイルーム及び観察室、個室が8つ制御室が1つのブース実験室、3つの面接室、汎用実験室) と演習クラスごとに使うことができる実験準備室が完備しています。
2.ゼミ運営で工夫している点とその成功例など
各教員のクラスには3年生に配属されます。3年次には実習と演習が開講されます。実習では1、2年生で習った心理学研究法や心理統計法の授業の内容を踏まえ、実際に社会心理学の実験・調査を行って収集したデータを用いて分析の訓練をします。分析にはRやHAD、SPSSなどの複数のアプリケーションを用います。後半では班ごとに研究テーマを決め、自分たちで問題を設定し、データを収集し、分析してレポートを作成します。こうした作業を通して自立した研究者としての訓練を受けます。
演習の前半では社会心理学や進化心理学にかかわる複数の書籍を輪読します。ここでの狙いは卒論執筆時の議論に最低限必要な知識の習得です。後半では、自分の問題関心に応じて社会心理学の文献をデータベースから検索し、読んで発表する一連の研究レビューについて学びます。自立して研究ができるようになるためには先行研究を適切にレビューできる必要があると考えているからです。
3.ゼミ所属を希望する学部生,大学院生に向けてのメッセージ
広島修道大学健康科学部心理学科は、十分な実験室と実験準備室が備わっています。日本でも有数の実験環境を提供できると考えています。実験参加者プールも毎年更新しており、常に実験を実施できる環境を整えています。大学院は博士後期課程までありますので、研究者を目指す方はもちろん、特に心理調査コースでは企業で応用できるデータサイエンスとしての社会心理学を学ぶこともできますので、一般就職にも自信を持って望むことができます。
なお、2018年度からは臨床心理士を養成する課程が大学院に設置される予定です。社会心理学を学びながら臨床心理士を目指すことも可能です。