第5回春の方法論セミナー

第5回春の方法論セミナー「R/RStudio入門」「経験サンプリングA to Z」

日時

2018年3月21日(水) 13:00~17:00 (12:30開場予定)

会場

明治学院大学白金キャンパス 2号館
 R/RStudio 入門 2302教室
 経験サンプリングAto Z 2301教室
 ※2つのセミナーとも13:00開始です。
※アクセスマップ
※キャンパスマップ

参加費

無料(事前予約不要・会員以外の参加も可)

企画

日本社会心理学会学会活動委員会

講師

R/RStudio 入門

小杉考司(山口大学)
紀ノ定保礼(静岡理工科大学)
前田和寛(比治山大学)

経験サンプリングA to Z

伊藤言(東京大学)
坂本次郎(専修大学)

企画メッセージ

 今回の春の方法論セミナーでは、RとRStudio入門と経験サンプリングA to Z という2つのセミナーを開催いたします。これまでのセミナーとは趣を変え、実践的な内容です。研究手法、分析方法の進展・変化のスピードはとても早く、新しい事を取り入れたいという気持ちはあっても、なかなか始めるのが難しいということもあるのではないでしょうか。特に、大学院を修了し就職してからは、詳しい人にわからないことを気軽に尋ねて教えてもらう、といったこともままなりません。そこで、今回のセミナーでは、特に最近導入へのハードルが低くなり、かつ多くのみなさまに関心がある(と思われる)、2つのセミナーを企画いたしました。詳しくは下記をご覧下さい。年度末のお忙しい時期ですが、大勢の方のご参加をお待ちしております。
 また、会員以外の参加も無料ですので、周囲にご関心のある方がいらっしゃいましたら、ご紹介いただけると幸いです。

概要

R/RStudio 入門
13時開始 2302教室
動画

 Rは「ちょっと使ってみた」という方はそれなりにいらっしゃるかもしれませんが、慣れ親しんだ(?)SPSSなどで定番の分析をなさっている方も多いのではないでしょうか。でも、ちょっとしたデータ成型などが必要なときなど、面倒だと思いながら、エクセルを使っていらっしゃるかもしれません。また、エクセルを使った作図にも不便さを感じていらっしゃるかもしれません。
 データ成型、データの可視化はRの得意分野です。また、統計分析においてSPSSでは対応できない分析も実行することができます。特に、ベイジアンモデリング、時系列分析などを行うためには、ぜひとも使えるようになっておきたいところです。また、Rにはさまざまなパッケージがすでに作成されており、それらを利用することで、かなりの分析を比較的簡単に実行することができるようになってきています。
 今回のセミナーでは、Rを初めて使うというところから始めますので、「この機会にRを使い始めてみよう」、という方はもちろん、「Rって本当にそんなに便利?」と思っていらっしゃる方も、ぜひご参加いただき、Rの世界を覗いて下さい。みなさんのご案内役の講師として、小杉考司先生(山口大学)、紀ノ定保礼先生(静岡理工科大学)、前田和寛先生(比治山大学)をお願い致しました。わかりやすく教えていただけると評判の先生方です。セミナーは、RStudioの基本操作(画面の説明、Rスクリプトの実行の仕方からデータハンドリング)とggplot2パッケージを用いたデータの可視化の2部構成の予定です。

Part I RStudioの基本操作

RStudioの基本操作

画面説明
Rスクリプトの実行と便利機能
  パッケージの読み込み

外部ファイルの読み込み

csvファイル
Excel, SPSSのファイル

データハンドリング;自分の好きな形にデータを変形させる

列選択
行選択
データの結合
値の再割り当て・新しい変数の生成
データのグループ化・要約統計量
縦横変換

Part II データの可視化

可視化の重要性について

ggplot2パッケージによる可視化の文法実習
  • 要因計画法に即したデータの可視化
  • 一般線形モデルに即したデータの可視化
  • 一般化線形モデルに即したデータの可視化
  • 階層線形モデルに即したデータの可視化
Publication-readyに仕上げる方法

◇RとRStudio入門にご参加を検討されている皆様へ

事前に下記のサイトの情報をご覧ください。事前の準備をお願いしています。
また、内容は順次更新予定です。

RとRStudio入門専用サイト

経験サンプリングA to Z
13時開始 2301教室

動画
配付資料(伊藤先生)
配付資料(坂本先生)

 ほとんどの人がスマートフォンを持つようになり、経験サンプリングの研究の方法は大きく変わってきました。専用のモバイル機器を用いるのではなく、日常利用しているスマートフォンを利用して回答を収集するという方法がとられるようになってきています。専用のアプリケーションも開発されており、実施のコストは大きく下がってきました。そのような方法で行われた研究を見て、自分でもやってみたいと思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。とはいえ、実際にデータをとろうとすると、さまざまなこと(細かいことも含めるとたくさん)について、「これはどうするのだろうか」といった、疑問が出てくるかもしれません。
 そこで、今回のセミナーでは、これから経験サンプリングの研究をしてみたいという方を対象に、経験サンプリング研究の方法について、データの収集から分析まで一連の流れを実践的に紹介・解説します。方法として、スマートフォンのアプリを用いる方法とgoogle formを使った方法の2つをご紹介し、研究を実施する上で注意すべき点、データハンドリングから分析までを扱います。講師として伊藤言先生(東京大学)と坂本次郎先生(専修大学)をお願いいたしました。公開されているデータを用いた分析のデモンストレーションなども含める予定です。

アウトライン

  1. 導入(20分程度)
    講師2名による経験サンプリング法(ESM)の特徴、メリットについて研究事例の紹介を含めた解説。
  2. 調査システムの紹介(30分程度)
    PACO(スマートフォンアプリ)の場合 emailベースの方法との比較も含む
    GAS(Google Webアプリ利用)の場合 Webシステムの構築方法、拡張まで
  3. ESM実施のノウハウ① 調査デザイン(30分程度)
    先行研究のレビューに基づいた調査デザインの解説
    ESMの実際 (使用システム、パッケージ、参加者の募集方法、参加者数の設定、参加者に回答の練習は必要か? 必要な費用の目安 質問の回数など(1日何回? 実施期間? 回答の対象となる時間幅?) 回答許容時間 項目数 ランダマイズ 欠損値をどうするか)
  4. ESM実施のノウハウ② サンプルサイズの設計 (30分程度)
    予備調査とパイロットデータの重要性
    経験に基づくtipsの共有(調査依頼から解析まで)
    GLMMで分析(実際に得られる反復測定データの扱い)
  5. 分析① GLMM解析とベイズへの展開(40分程度)
    ESMデータに対するGLMM研究適用例(解析に焦点)
    データハンドリングの基礎 Spaghettiプロットによる確認 Rを用いた解析方法
    ベイズ統計モデリングの活用
  6. 分析② HADを用いた一般(化)線形混合モデルの実践 (40分程度)
    公開データを用いた分析デモ(HAD)
    線形のHLMを用いた最もベーシックな分析 ワンショットで測定した個人差データとESMのデータの交互作用の検討
  7. さらなる発展(残り時間に応じて)