第12回春の方法論セミナー
心理学実験Updated:コミュニケーション研究の最前線にみる研究法の継承と発展
日時
2025年3月13日(木)14:00~17:00予定(質疑、休憩含む)
開催方法
対面+zoom中継(最大500人)
対面会場
大阪工業大学 梅田キャンパス OIT梅田タワー 2階セミナー室201・202(会場定員85人)
(大阪市北区茶屋町1番45号 https://www.oit.ac.jp/institution/access/index.html)
企画
日本社会心理学会学会活動委員会
HP(当日詳細資料、申し込みサイトなど)
2025年2月20日頃公開予定(対面参加・オンライン参加申し込みへのフォーム等はこちらのHPに掲載します)
式次第
司会:古村健太郎(弘前大学・日本社会心理学会学会活動委員会委員)
14:00~14:05
挨拶:西田公昭(立正大学・日本社会心理学会会長)
企画趣旨紹介:西村太志(広島国際大学・日本社会心理学会学会活動担当常任理事)
14:05~15:25
藤原健(國立中正大學(台湾) )
コンピュータを用いた表情解析とその応用
15:25~15:35
休憩
15:35~16:55
水野景子(関西学院大学)
オンライン実験における参加者とのコミュニケーション
16:55~17:00
学会からのお知らせ、連絡事項
企画趣旨
日進月歩で進んでいくテクノロジーの発展は、心理学の研究方法をアップデートさせていきます。今では様々なオープンソフトウェアが利用可能になり、ウェブブラウザ上での実験は一般的になりつつあります。その結果、非言語コミュニケーションの測定や遠隔でのコミュニケーション実験はじめ、私たちには様々な研究方法が選択肢として利用できる状況になりました。しかし、そのアップデートの速さゆえに、それらの方法で何ができるのか、どのようにできるのか、長所と短所は何かといった疑問を持っている人も少なくないでしょう。
本セミナーでは、非言語コミュニケーションの測定やオンライン実験に詳しい2名の先生にご登壇いただき、オープンソフトウェアを用いた研究やオンライン実験の実際について、入門レベルから応用レベルのお話までご紹介いただきます。
セミナー概要
藤原健(國立中正大學(台湾) )
コンピュータを用いた表情解析とその応用(説明と質疑含めて80分)
概要:対人コミュニケーション研究において、古くから研究者たちは話者たちの振る舞いに注目し、言語行動・非言語行動のデータを取得することに苦心してきました。観察者による手動の抽出作業が主な方法論であった時代から時は流れ、今ではコンピュータが半自動的に人の表情の機微を解析することが可能になりました。そこで今回の講演では、プログラムコードを書くことなく始められるコンピュータによる表情分析の方法を紹介します。まず最初に、コンピュータを用いた表情解析がどのようなプロセスで可能になっているのかを簡単に説明します。また、この方法を採用する際の注意点についても触れます。次に、フリーのツールキットとして配布されているOpenFace 2.2.0 (Baltrušaitis et al., 2018) について、ダウンロードから利用開始、実際の出力結果を得るところまでの方法をご紹介します。OpenFaceは表情解析の枠組みとして広く用いられているFacial Action Coding System (FACS) を実装しており、17のアクションユニットの活性強度について連続量と二値判断 (活性の有無) の結果を出力します。これらをどのように統計分析につなげていくのかについても実用例をご紹介します。利用環境としてはPC (Win 11)を想定します。
水野景子(関西学院大学)
オンライン実験における参加者とのコミュニケーション(説明と質疑含めて80分)
概要:近年、主にクラウドソーシングサービスを用いたオンライン実験が広がっています。オンライン実験には十分な人数の幅広い参加者に参加してもらえるメリットがある一方で、実験の説明を理解してもらいにくいことなど、参加者とのコミュニケーションの難しさという問題もあります。私からは、オンライン実験においてどのように参加者とコミュニケーションを取ればよいのかについて、実験の説明方法と実験タスクの理解度の関連を検討した研究結果および自身のオンライン実験の経験をもとに話題提供します。