社会心理学における「産学連携活動の意義」を問い直す

第2日(9月18日) 15:45~17:15 社会学部2F 202

企画者
池内 裕美(関西大学)
秋山学(神戸学院大学)
前田洋光(京都橘大学)
司会者
前田 洋光(京都橘大学)
話題提供者
永野 光朗(京都橘大学)
池内 裕美(関西大学)
松井 由樹(関西大学・非会員)
田坂 英恵(関西大学)
指定討論者
秋山 学(神戸学院大学)

概要
近年、大学の果たすべき役割として「研究成果の社会還元」が挙げられるようになり、民間企業と共同で研究や事業を行う「産学連携」が急速な広がりを見せ始めた。これには2003年に文部科学省が「特色ある大学教育支援プログラム」(GP:Good Practice)で「産学連携教育」を募集テーマに掲げたことや、2004年に国公立大学が法人化したことが一つの契機になっているといえる。その後も産学連携に対する期待は益々高まり、2014年に経団連が発表した「次代を担う人材育成に向けて求められる教育改革」においても「産学連携の推進」が挙げられている。

確かに大学の知(シーズ)と企業の技術の融合は、社会を大きく変える可能性を秘めている。また企業側には最先端の知識を低コストで活用できるというメリットや、大学側にも学生への技術の伝授や研究資金が確保できるというメリットがあるだろう。しかし、これはあくまで理工系学部を中心とする話である。

それでは、文系学部の心理学分野における産学連携は、いかなる形で社会に貢献し、どのように大学教育の中で位置づけられるべきであろうか。今後、公認心理師が動き出す中、社会の様々なフィールドで、心理学の知の応用に寄せられる期待は高まることが予想される。既に日本認知心理学会では、認知心理学と企業における製品開発に関するシンポジウムが開催され、社会貢献の可能性について検討され始めている。

本ワークショップでは、産学連携の意義を今一度確認するとともに、社会心理学のなすべき社会還元について議論したい。話題提供者として、まず永野光朗先生に、授業の一環として取り組まれた商業施設の活性化を目的とする連携活動についてご紹介頂く。次に、ゼミ活動の一環として池内自身が取り組んできた商品開発の事例を取り上げる。そして、それを支えて下さった関西大学社会連携部の松井由樹様、実際に学生として活動に携わった大学院生の田坂英恵さんにもご登壇頂き、それぞれの視点から産学連携の可能性や問題点について話題提供して頂く予定である。


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