日本社会心理学会第64回大会の全てのプログラムを無事終了いたしました。
今年度の大会には,405名の予約参加者に加え,速報値ではありますが171名の当日参加をいただきました。また,225件のポスター発表,41件の口頭発表,さらに12件のECR企画のご発表をいただきました。さらに,自主企画のワークショップ4件および大会シンポジウム1件も含め,とても盛況でした。ご参加いただきました皆様に御礼申し上げます。
1号通信で「本大会では,オンライン・オンサイト両方の『良いとこ取り』を目指し,新しい学会の形にチャレンジします」と申し上げました。今回のハイブリッド形式の大会がみなさまにどのように受け止められたのかは分かりませんが,大会初日のポスター会場の盛況ぶりは非常に印象的でしたし,また2日目の台風接近による荒天にもオンラインであれば直接は影響されず,無事にすべての口頭発表セッションおよび自主企画ワークショップを実施することができました。私共のチャレンジはある程度成功したように感じています。
今大会を計画するにあたり,念頭においたことがありました。一つは,日本社会心理学会には様々な背景や立場を持つ多様な方がいらっしゃる一方で,昨今,日本社会心理学会の会員が減少傾向にあることです。そのため,多くの多様な人に対して議論の場を提供することが大事であると考えました。さらには,ここ数年のコロナ禍で対人ネットワークを形成,拡大する機会が得られなかったり,率直な物言いに戸惑い,萎縮して返答に窮したり,困ってしまう若手研究者もいるかもしれないと考えました。そこで、ハイブリッド形式での開催以外にも新たな試みを行いました。若手研究者(ECR)を対象としたライトニングトークおよび指名制指定討論ポスター発表、参加者バッジといった取り組みはこのような背景からうまれたものです。
これらの試みの中には,うまくいったものも,いかなかったものもあろうかと思います。また,若手研究者の育成のあり方には異論もおありかと思います。本大会へのご意見・ご批判は,次回以降の大会開催への協力の形で是非ご還元ください。
今大会は,運営についても多くの大会とは異なっていました。上智大学での開催を打診された際,当時の大会運営常任理事だった村本由紀子先生に対して,人が少ないので難しいとお答えしました。結果的には,他大学の友人たちに協力を依頼することで,上智大学のメンバーと合同で準備委員会を構成することができました。大会準備はたくさんのスタッフを有する大きな大学でなくても可能であることを示せたことも,本大会の一つの成果であると感じています。
改めまして,社会心理学界を楽しむ活動に共にご参加くださったことに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
2023年9月8日
第64回大会準備委員会
委員長 樋口 匡貴
準備委員 一同